保険法とは
最も狭い意味でいわれる場合は、いわゆる保険契約法(商法第3編第10章および第4編第6章における保険についての規定)と同義になるが、逆に最も広義で捉えると保険に関する一切の法規を意味することになります。保険を公的な政策目的を達成するために行われるもの(公保険)と私経済的な視点からの利用に委ねられているもの(私保険)に2大別することができるが、この分類を前提にすると保険に関する一切の法規も公保険に関する法規と私保険に関する法規の2つに大別できます。
前者の代表的なものとしては、健康保険法(大正11年、法律第70号)、国民健康保険法(昭和33年、法律第192号)、厚生年金保険法(昭和29年、法律第115号)、国民年金保険法(昭和34年、法律第141号)および労働者災害補償保険法(昭和22年、法律第50号)などのいわゆる社会保険に関する法規、貿易保険法(昭和25年、法律第67号)、中小企業信用保険法(昭和25年、法律第264号)、農業災害補償法(昭和22年、法律第185号)、漁船損害等補償法(昭和27年、法律第28号)および漁業災害補償法(昭和39年、法律第158号)などのいわゆる経済政策保険に関する法規などがあります。
このほか、いわゆる社会保険の範疇に入らないが、いわば国民生活保険とでも称すべき分野に関するものとして、自動車損害賠償保障法(昭和30年、法律第97号)、地震保険に関する法律(昭和41年、法律第73号)などがあります。
後者の主なものとしては
1、保険契約に関する商法上の規定(上記のいわゆる保険契約法)
2、私保険事業に対する監督・取締の法規たる、ア・保険業法(平成7年、法律第105号)、イ・損害保険料率算出団体に関する法律(昭和23年、法律第193号)
3、私保険事業者たる保険会社の組織に関する法規(保険業法の中に含まれています。なお保険株式会社については商法の株式会社に関する規定の適用がある)
4、国営の生命保険契約・年金契約に関する簡易生命保険法(昭和24年、法律第68号)
5、相互保険組合による私保険に関する船主相互保険組合法(昭和25年、法律第177号)などがあります。
また保険法という枠組の下で、上記の諸法規のうち、商法中のいわゆる保険契約法を中心に保険業法をあわせて取扱うという、いわば中間的なカテゴリーのとらえ方もあります。 |